【インタビュー記事. Vol.1】アリオ葛西で開催された「クロススポーツパーク」イベントの舞台裏:地域との共創が生み出す未来

アリオ葛西について

MoveX) 本日はよろしくお願いいたします。まずは、アリオ様について、改めてブランドや特徴についてお聞かせいただけますでしょうか?

アリオ) はい。アリオは、ファミリー層の集客をメインとしており、お客様に楽しんでいただくことを目指しています。その中でも、地域との連携を非常に重視しており、例えば消防や行政の方々と協力してイベントを開催したり、地元の方々に活躍の場を提供したりすることで、アリオがある地域を盛り上げることに貢献したいと考えていることが特徴です。

その中でアリオ葛西は、特に地域に根差した施設として、地域生活の中に溶け込むことを目指しています。他のアリオ施設と比較しても、地域との繋がりは強い方だと自負しています。

MoveX) アリオ葛西がある東京都・江戸川区ならではの特徴や、施設の作り方について教えていただけますか?

アリオ) 葛西ならではの特徴としては、まず江戸川区の特産品である小松菜、そして金魚が有名です。我々も7月には金魚に関連するイベントを予定しています。またアンケートでも江戸川区は「住みやすい町」として1位になったことがあると聞いており、住民の中でも「江戸川区といえばアリオ葛西」の名前がよく挙がるとのことです。

MoveX) 葛西に来られた当初の印象と、今の印象はいかがですか?

アリオ) 私は葛西に来る前は(葛西)水族園には行ったことがありましたが、アリオ葛西には来たことがありませんでした。東京の端っこなので田舎というイメージがありましたが、全然そんなことなく、東京都内という印象でした。特に電子決済なども普及しており、40代、50代の方も使いこなしている点に驚きました。江戸川区は、東京の中でも地元意識が強い地域だと感じています。30代、40代のファミリー層が多く住んでおり、子育て世代にとって住みやすい町として人気があります。周りに他の施設が少ないことも、アリオの強みだと考えています。

クロススポーツパークの実施の経緯

MoveX) 普段はどのようなイベントを開催されていますか?

アリオ) イベント内容は多岐にわたりますが、キャラクターショーやワークショップはもちろん、行政と連携したイベントも行っています。最近は体験型のイベントに力を入れており、今回のクロススポーツパークもその一環です。以前行った「溶けない雪」のようなアクティビティは、お客様からの反応が非常に良いと感じていました。

MoveX) 今回、クロススポーツパークを実施するきっかけについて、改めてお聞かせください。

アリオ) 実を言うと、率直に言えば、直感ですね。MoveXさんからお話をいただいた時に、私自身も内容に興味があり、ぜひやってみたいと思いました。ちょうど今年のゴールデンウィークのテーマを「スポーツ」に絞って展開しようと考えていたので、その集客の目玉として、少し大きめのイベントを入れたいと思い、お願いさせていただきました。

MoveX) 社内での説得など、実施決定までの流れはいかがでしたか?

アリオ) やりたいですと伝えたら、すぐに決まりました。私の方から「こんな面白いイベントがあるんですよ、やりたいんです!」と熱意を伝えたところ、日程調整はスムーズに進みました。

実施に向けて

MoveX) 実際に進めていく中で、MoveXさんに対して何か気になった点や、逆に良かった点はありましたか?

アリオ) 正直、何も問題はありませんでした。告知なども他の業者さんよりもしっかりと、そして早くからWebなどでやってくださったので、計画的に進めることができました。進行に関しても心配はなかったです。正直、最初にお会いした時は「(アリオで初めての実施でしたので)大丈夫かな?」と少し心配になった部分もあったのですが(笑)、全くそんな心配は必要なく、とてもちゃんとしてくださり、動きも早く、告知もきちんと行っていただけたので、非常に心強く感じました、安心してお任せすることができました。

MoveX) イベントスペースの問題や、施設側での工夫された点はありましたか?

アリオ) スペースについては、やはりBMXのパフォーマンスなどを使うとなると「結構(広く)使うなぁ」とは思いましたが、最終的には全て収まりました。また施設側としては、このイベントだけでなく、テナントさんに還元できないと意味がないと考えていたので、イベントに参加された方が飲食店で特典を受けれるサービスをするなど、施設全体でイベントを盛り上げていくという狙いをつくりました。また、参加者は1,000円以上レシートを持ってくると入場できる制限もうまくはまりました。

イベントの評価

MoveX) 実際にイベントを行ってみて、当日の様子や率直な感想はいかがでしたか?

アリオ) 一番良かったと感じるのは、参加してくださった方々、演者の皆様がとても楽しそうだったことです。そして特にある参加者の女の子が朝から晩までずっとイベントに参加してくれたことです。その子のお母さん「子供に夢が与えられた感じがする」と言ってくれたのが印象的でした。

総じて、施設・出演者・参加者の関わった全員が「良かった」と思える形になったのは素晴らしいことだと感じています。

MoveX) そうですよね!実はその女の子は、怪我をしてダンスを辞めようかと悩んでいた時期にこのイベントに来て、ブレイクダンスに夢中になり、最終的にはブレイクダンスの教室に入ったそうです。アリオ葛西が彼女の人生を変えるきっかけになったというのは、本当に素敵なことだと感じています。

MoveX) 他に印象に残っていることはありますか?

アリオ)(ラッパーの) TKda黒ぶちさんですね。彼に対する反応が非常に良かったです。子供たちだけでなく、50代くらいの女性の方も話しかけたり、TKさんの絵を描いてくれたりしていました。正直、最初は反応がどうなるかと思っていましたが、意外と好評で、このようなカルチャーにも一定数のファンがいるのだと実感しました。今回のイベントがきっかけで、**EDGW CYPHER(エドガワサイファー)**の方々が他の場所でもイベントを企画してくれるようになるなど、様々な派生効果が生まれています。江戸川区には様々なカルチャーがあることを、もっと知ってもらいたいですね。

MoveX) テナントさんや葛西全体からの反応はいかがでしたか?

アリオ) テナントさんからの反応はとても良かったです。特にGU前のスペースやウエストコートを使ってBMXのパフォーマンスを行ったのは初めての試みでしたが、それを見て「盛り上がっていた」「自分のイベントの参考にしたい」と言ってくれたテナントさんもいました。パフォーマンス中は明らかに盛り上がっていましたし、施設としても非常に良い経験になったと思います。

MoveX) イベント開催前のイメージと、実際に開催してみてからのギャップはありましたか?

アリオ) 正直、どれくらい集客できるか若干心配はありました。サッカーや野球のような超メジャーなスポーツイベントではないので、少し置き去りになってしまうかなとも思っていました。ですが、予想に反してお客様がイベントについてきてくれて、「江戸川区でもこういうものに反応するんだな」と良い意味で驚きました。今回のイベントに関しては、本当に微塵も悪く感じたことはありません。

※ EDGW CYPHER・・・江戸川区を拠点とするブレイクダンスのクルー。ダンスのプロリーグで活躍するメンバーも在籍し、日本でもトップクラスの実力を持つ。アリオ葛西で行われたクロススポーツパークでブレイクダンスの講師とパフォーマンスを担当。

施設への影響

MoveX) 集客や売上といったビジネス的な観点ではいかがでしたか?

アリオ) 売上は非常に良かったです。ゴールデンウィーク期間中、あの2日間は施設全体の売上の中でもトップクラスでしたね。集客もできていましたし、滞在時間も長かったと感じています。これは狙い通りに動いた結果だと思います。

MoveX) イベント実施後の影響や変化について教えてください。

アリオ) そうですね、一番大きな変化はEDGW CYPHERとの繋がりですね。昨年11月にフラワーガーデン(江戸川区総合レクリエーション公園内 )で実施された「えどがわ楽市」の縮小版の「えどがわ豆市」が今年10月にアリオ葛西で実施される事になりまして、今回出てくれたEDGW CYPHERの方々がそこにも参加してくれることになりました。これは今回のイベントがなければ実現しなかったことだと思っています。地元で頑張る方々に活躍の場を提供できたことは、非常に良かったと感じています。アリオ葛西がきっかけで、EDGW CYPHERが今年だけでも2回(10月と3月)イベントに出演し、来年はもっと増えるかもしれません。これは私たちにとっても嬉しい限りです。

MoveX) 地元のプレイヤーが出演することについて、お客様の反応はどうでしたか?

アリオ) おそらく伝わっていると思います。近くに住んでいる地域の子たちが来てくれたり、自分の住む地域にこういった活動があることを知ってもらうきっかけにもなるので、地元の方々が出演することには大きな意味があると感じています。

今後のクロススポーツパークとの取り組み

MoveX) 今後のクロススポーツパークとの取り組みについてはいかがでしょうか?

アリオ) そうですね、来年以降も今回と同じ形で、ゴールデンウィークの同じタイミングでぜひお願いしたいと考えています。今回の反省点としては、「祭り」のようにはならなかった部分もあるので、次回はキッチンカーを呼んだり、来場者が楽しめるような提案を出し合い、さらに盛り上げたいです。

MoveX) なぜ来年も同じタイミングで、というお考えなのでしょうか?

アリオ) 理由はいくつかあります。まず、今年実施して、お客様から「やってくれて良かった」「また参加したい」といった生の声を直接聞ける機会が、今まであまりなかったんです。時代に合った内容だと感じましたし、私自身も本当にやって良かったと思っています。売上はもちろん重要ですが、そういったお客様からの声は非常に貴重です。 また、EDGW CYPHERとの連携が非常に綺麗に組めるというビジネス的な側面もあります。3月に彼らがイベントを行い、4月にアリオ葛西でクロススポーツパーク、そしてまたバージョンアップした形でイベントを行うという流れが作れます。 そして、私たちは地元のプレイヤーを呼ぶように心がけているのですが、江戸川で頑張っている方を応援したいという強い思いがあります。アリオ葛西でイベントを開催することが、彼らが有名になるきっかけになるのであれば、全面的に協力したいと考えています。これは施設として、地域になくてはならない存在でありたいという使命感にも通じています。頑張りたい人にとって、イベントが夢を語る手助けになればと願っています。

【クロススポーツパーク インタビュー vol.1】

アリオ葛西 モール担当マネジャー 晝間様
株式会社MoveX 代表取締役 鴇崎