
アスタ田無について

MoveX : 本日はよろしくお願いいたします。まずは、アスタ様について、改めて施設の特徴やお客様層についてお聞かせいただけますでしょうか?
アスタ 府川様 : はい。アスタは、再開発でできた施設で、アスタの名前は「明日の素晴らしい田無」を略して、市民の投票で決まりました。1995年3月にオープンし、今年3月で30周年を迎えました。専門店舗が84店舗、地下には市営駐車場、住宅も併設しており「アスタ住宅」というマンションに195世帯が入居しています。
アスタは地域密着の強い施設で、地元の方にデイリーで来ていただいています。地元の方により楽しんでいただけるよう、6年ほど前から2階のセンターコートでファミリー向けのイベントを定期的に開催するようになりました。
センターコートでのイベントは年間約300日程度開催しており、月に25日くらいはイベントをやっている計算になります。アスタに来れば何かイベントをやっている、という形が浸透してきたと感じています。
お客様層については、近年競合店もオープンし厳しい環境ではありますが、「アスタカード」というポイントカードが非常に浸透しています。これを活用したイベントや、館内でしか使えないお買い物券を利用した企画も行っています。25周年の際には、市民の方に選んでいただいた「アスターくん」という公認キャラクターを作り、そのノベルティグッズをプレゼントするイベントも毎月開催しています。
昨年11月にはリヴィン田無店が初めて全面リニューアルを実施し、ドンキホーテ様、カインズ様、ニトリデコホーム様、ブックオフ様など、今までなかったお店が新たに出店されました。これにより、より地域のお客様に「来ればとりあえずたいていのものが手に入る」施設になったと思っています。
2年前からは地域の小学校との連携も強化し、学校関係のイベントも定期的に開催しています。私自身も地元の小学校の学校運営委員を務めるなど、地域との連携を深めています。
MoveX : 6年前からイベントを増やし、家族連れ向けのイベントに力を入れ始めたとのことですが、なぜそのタイミングで始められたのでしょうか?
アスタ 府川様 : この地域は子育て世帯やお子様連れのファミリーがたくさん住んでいるのですが、施設にいらっしゃるお客様の高齢化が進んでいたんです。新宿や池袋、吉祥寺に20分くらいで行ける立地なので、ニューファミリー層は都心の方に行ってしまう傾向がありました。そこで、この地域に住む方たちにもっと土日などに施設に来ていただけるよう、それまであまりやっていなかったファミリー向けのイベントを少しずつ増やしていきました。今ではイベントもかなり拡大してきたと思っています。
MoveX : 街の変化として、家族が多い一方で高齢化も進んでいるという状況があったのですね。
アスタ 府川様 : そうですね。10年ほど前からテナント誘致の仕事をするようになり、当時お声がけした企業様からも「若い方が少ないですね」という話もありました。これはやはり、若い方が来られるようなお店を入れたり、そういうイベントをやらないと、地域に住んでいても来てもらえないと感じました。そのためにはお金をかけてでも、そういうイベントをやらないといけないと考え、提案して少しずつ増やしてきた経緯があります。
クロススポーツパーク(ミッションクロススポーツ大作戦)実施の経緯

MoveX : そういった背景の中で、今回の「ミッションクロススポーツ大作戦」はどのようにして決まったのでしょうか?
アスタ 府川様 : 最初に小倉さんからお問い合わせをいただいた時、館内でスポーツ系のイベントはほとんど実施したことがなかったのですが。2年前にパルクールのイベントを初めて実施した際、お客様から大変喜ばれ、トラブルもなく開催できた経験があったんです。
なので、今回の話を聞いて「これはすごく面白そうだ」と思いました。
小倉さんから内容を聞くと、競技の種類もたくさんあり、これが定期的にできたら地元のファミリーがもっと来るだろうと感じ、自信を持って動けました。
MoveX : 一番惹かれたポイント、決めていただいたポイントはどこになりますか?
アスタ 府川様 : やはり、種類の多さですね。経験者も未経験者も両方楽しく参加できるのではないかと思いました。
実際に他の商業施設で開催されている会場を見に行ったら、すごい盛況ぶりだったので。その施設と規模の違いはあったものの、同じようなイベントが定期的にできれば、駅前の施設として、地域の方々が地元でスポーツイベントに参加できる機会を提供できると思いました。
実施に向けて
MoveX : 実施決定までの社内調整はスムーズでしたか?
アスタ 府川様 : 他の施設で実施している写真や動画を撮って、経営層や関係者に見せたところ、「いいね」という良い感触がありすぐに理解いただけたと思います。
MoveX : イベント実施にあたり、施設側として意識されたことや工夫された点はありますか?
アスタ 府川様 : 色々な場所でポスターなどで告知はしましたが、反省点としては、ポスターでのPRが多く情報が伝わりづらかったので、3種目あるなら3種目に分けてポスターを作るなどして、もっと初めての人でも分かりやすいようにすべきだったなと後から思いました。
今後、そういうことを取り入れていければと思っています。
MoveX : 確かに、種目を並べると情報が多くなりますよね。種目1つにピックアップしたデザインなどの調整で改善できたら良いですね。
イベントの評価



MoveX : 実際にイベントを行ってみて、当日の様子や率直な感想はいかがでしたか?
アスタ 府川様 : 率直に、自分も体験してみて、指スケなんて知らなかったですし、けん玉も遠い昔にやったことはありましたが、会場に来ていた男の子にやり方を教えてもらったりして。やったことがあってもやるとやっぱり楽しいですし、今まで体験したことないような競技に初めて触れられるというのは、大人でも楽しめるし、お子さんたちはもっと楽しいだろうなと。
そこからスポーツ選手になるかもしれないし、すごく良いイベントだと思います。
MoveX : 今回ミッション要素が加わり、スパイのようにクエストをクリアしていく形でしたが、それに関してはいかがでしたか?
アスタ 府川様 : 継続性が出てくると思います。1回やって終わりではなく、他の施設で2週にわたってやっていたように、継続して来てもらえるきっかけになると思います。
長く開催することで、参加者が増えるのではないでしょうか。
クリアしたくてまた来てくれる、という目的に繋がるのは良いですね。
MoveX : 印象に残るエピソードはありましたか?
アスタ 府川様 : けん玉の男の子がすごかったですね。またやったら来てくれるかなと。
毎回そうやって来てくれる子が増えるのは良いことだと思います。
MoveX : その子に話を聞いたところ、世界大会に挑戦したいけん玉の子だったんですよね。ここから羽ばたくプレイヤーが発掘できるかもしれない、というのはイベント開催のしがいがありますね。
アスタ 府川様 : そうですね、そういう風になっていければ嬉しいです。
彼も最初から最後まで長くイベントにいましたね。
施設への影響

MoveX : 集客や売上といったビジネス的な観点ではいかがでしたか?
アスタ 府川様 : 売上は非常に良く、この夏のイベント開催など、好調に推移しており、過去最高だった1998年の売上に次ぐ、あるいは超えるペースで推移しています。
昨年度売上は過去2位で、今年はそれを超えるペースなので、さらなる集客と売上につなげたいです。
MoveX : 来場者の反応はいかがでしたか?
アスタ 府川様 : 会場に来ていたお客様に話を聞くと、皆さん本当に「楽しい」と言ってやっていらっしゃったので、反響はすごく良かったと思います。アンケートの満足度も100%でした。この地域はまだ、こうしたスポーツを体験する機会が少ないのかもしれないので、もっと開催して浸透していけば、競技人口も増えていくでしょうし、自治体との連携もできると良いですね。
MoveX : 地域にとって、アスタ田無でこうしたイベントを行う意味は大きいと感じられましたか?
アスタ 府川様 : 西東京市は子育て世帯の転入が都内で2番目に多い地域なんです。アクセスが良いことや駅近くに大きな公園があること、家を持ちやすい場所であることも要因かと思います。そういった方たちがたくさんいるので、こういうファミリー向けイベントを開催していけるのは、地域にとってもすごく喜ばれると思います。
新宿などに行かなくても、ここでそういうスポーツが体験できるというのは、地域にとって大きな意味があると考えています。
MoveX : 施設が地域の中心として、強い使命感を持って取り組んでいらっしゃるんですね。
アスタ 府川様 : そうですね。元々市の再開発でできた商業施設なので、地域との連携は強く考えています。
特にここ数年は連携を強めており、今回のイベントも非常に良い形で連携できるのではないかと感じています。
将来的には、西東京市ともうまく連携し、共同でイベントを開催するなど、自治体にも喜んでいただけるような取り組みができれば良いと考えています。
今後のクロススポーツパークとの取り組み

MoveX : 今後のクロススポーツパーク(ミッションクロススポーツ大作戦)との取り組みについて、展望があればお聞かせください。
アスタ 府川様 : そうですね、欲を言えば、種類(スポーツの)が色々選べると楽しいなと思っています。あまり広げすぎると浸透に時間がかかるかもしれませんが、浸透してきてから種類が広がっていき、「クロススポーツパーク」のような大規模なイベントもアスタで実施していけると良いなと思います。
また、アスタには駅に繋がるデッキがあります。ここは市の歩道なので市の許可が必要ですが、そういった場所も活用して、少しずつ規模を拡大していければ良いですね。
MoveX : 確かに、駅直結デッキは良い場所ですね。活用できると集客力も高まりそうです。
アスタ 府川様 : そうです。ああいった場所でイベントができれば良いですね。フットサルコートもリヴィンの屋上にあるので、そちらとも連携できれば。
MoveX : フットサルコートが使えるとなれば、フリースタイルフットボールやフリースタイルバスケなど、さらに様々なパフォーマンスや体験ができる可能性があります。フットサル場の運営会社の方も喜んでくれるのではないでしょうか。
アスタ 府川様 : アスタはここだけしか運営していない単館SCなので、逆にあまり縛られず、新しいことにどんどん取り組める柔軟さが強みだと思います。ぜひ色々なことをアスタで実験していただければと思います。(笑)
MoveX : ありがとうございます。ぜひ一緒に、びっくりするくらい盛り上げましょう!